9/23-10/4▷大森博之|十月の椿ー落下

2026923日(水)~104日(日)
12:00~19:00 日曜は17:00まで 月・火休廊

切り離しの美学

gallery fuでは、9月23日(水)から10月4日(日)まで、彫刻家・大森博之の個展「十月の椿―落下」を開催します。
大森はgallery fuにおいて、2020年に個展「彫刻の肉欲/眠れる美女」を開催。その後、2024年10月に美術家・伊東明日香との二人展「十月の椿」、2025年には個展「大森博之|十月の椿」を開催しました。本展では、その「十月の椿」を引き継ぎながら、「落下」という言葉を加えることで、「写し」と「切り離し」のあいだに生まれるエロティシズムを探ります。
大森の考える「写し」とは、単なる複製ではなく、オリジナルとの距離を限りなく縮め、その本質をも写し取ろうとする行為です。そして、距離が無化されるその瞬間、写しは原本から切り離され、別の存在として立ち上がります。そこには、写すことと生まれること、触れることと離れることが、ひとつの連続した出来事として重なっていきます。
椿は、花びらが散るのではなく、花首から花ごと落ちます。大森はその「落下」に、ひとつになることの果てに訪れる切断と、新たな存在の誕生を重ねます。母の「写し」として生まれた胎児が、やがて母体から切り離されるように、接触によって限りなく縮まった距離は、ある瞬間に絶対的な断絶へと変わる。
その接触と断絶のあいだに生じる緊張こそ、大森が見つめるエロティシズムなのかもしれません。
「十月の椿ー落下」は、生成と切断のあいだに立ち現れる、大森博之の触知的な世界をめぐる展覧会です。

gallery fu代表 鈴木智惠


くずれおちるー大森博之メモ
粘土の塊を撫でて、型をとり、石膏にうつす。それは目であり、耳であり、鼻であり、口であり、肛門であり、陰門であり、雲であり、花であり、森の緑である。つまり、門である。さらに起伏を油絵具と蜜蝋で撫でる。官能にみちびかれて、表層は厚い不純な膜になり、くずれおちる。そして、蜥蜴の尻尾のように囮になる。

大森博之/OMORI Hiroyuki
1954年 栃木県生まれ
1979年 筑波大学大学院修士課程芸術研究科彫塑専攻修了
個展
2025年「大森博之|十月の椿」gallery fu/神奈川
2024年「大森博之展 ─背後の手前─」artspace & cafe/栃木
2023年「大森博之展ー断片しか残らない」+Y Gallery/大阪
2020年「彫刻の肉欲/眠れる美女」gallery fu/神奈川
2017年 +Y Gallery/大阪
2004年 鶴見画廊/神奈川
1997年 JAZZオーネット/足利・栃木
1997年 SPACE・U/館林・千葉
1994年 95年、96年、ギャラリー手/東京
1991年 ギャラリーMIU/神奈川
1990年、91年、93年、98年、2000年、03年、06年、09年、11年、14年、16年 なびす画廊/東京
1989年 コバヤシ画廊/東京
1984年 ギャラリートランスフォーム/東京
1983年、84年、85年、86年、89年 ルナミ画廊/東京
1983年 駒井画廊/東京
1980年、81年、82年 楡の木画廊/東京
二人展・グループ展
2024年「大森博之 x 玉征夫 展」SPC/東京
2024年「大森博之・伊藤明日香|十月の椿」gallery fu/神奈川
2023年「次元往来記」Gallery惺SATORU/東京
2021年「-彫刻とデッサン展 橋本平八から現代の彫刻家まで」平塚市美術館/神奈川
2021年 足利市立美術館/栃木、碧南市藤井達吉現代美術館/愛知、町立久万美術館/愛媛
2019年「スサノヲの予感」Gallery TOM/東京
2018年「Art in Park Hotel Tokyo 2019」パークホテル東京/東京
2018年「13人の油絵」+Y Gallery/大阪
2018年「Art in Park Hotel Tokyo 2018 」パークホテル東京/東京
2017年「ART NAGOYA 2017」ウェスティンナゴヤ キャッスル/愛知
2016年「80’s展 享楽と根源」+Y Gallery/大阪
2014年「版画天国II」なびす画廊/東京
2013年「版画天国」なびす画廊/東京
2012年「光あれ!-光と闇の表現者たち」栃木県立美術館/栃木
2009年「『ミュージアムズ・チョイス この一点』コレクション展Ⅲ」栃木県立美術館/栃木
2009年「DE MYSTICA第2回展 -”アート”全盛期における”美術”-」なびす画廊/東京
2008年「DE MYSTICA~召命~」ギャラリーアート・ポイント/東京
2008年「ラディカル・クロップス プレ展」exhibit Live&Moris/東京
2007年「プライマリー・フィールド美術の現在 -七つの<場>との対話」神奈川県立近代美術館・葉山/神奈川
2006年「大森博之+橋本倫 2人展」鶴見画廊/神奈川
2005年「大森博之+野沢二郎」Takashi Saitoh Gallery/茨城
2005年「2月のおくりもの」なびす画廊/東京
2004年「第19回平行芸術展-彫刻は自分の半身を取り戻す-企画:峯村敏明」小原流会館/東京
2004年「ディスタンス-栃木県出身作家の現在-」栃木県立美術館/栃木