5/13-5/24▷M collective|チューニング アニミズム

2026年5月13日(水)~5月24日(日)
12:00~19:00 日曜は17:00まで 月・火休廊

織絵、キウチアサミ、コムロヨウスケ、坂間真実、藤田卓実、Misa Haneda+Atsushi Niida

自分を取り巻く万物との「関係性」を見つめ直す

ggallery fuでは、5月13日(水)から5月24日(日)まで、「M collective|チューニングアニミズム」を開催いたします。
「アニミズム」とは、人間のみを特別視せず、世界に存在するあらゆるものに気配やいのちを認める思想です。古くからこの国では、長い年月を経た道具にさえ魂が宿ると考える「付喪神(九十九神)」の伝承が語り継がれてきました。それは、目に見えない対象のなかに「意思」や「生」を察知しようとする、私たちの根源的な感受性の現れでもあります。
この精神性は、テクノロジーが高度に発達した現代においても形を変えて息づいています。私たちはAI(人工知能)というデジタルな知性に対しても、時に友人や相談相手のように接し、そこに単なるプログラム以上の「人格」を感じ取っています。形ある「物」から形なき「情報」へと対象が変わっても、何かに魂を見出す私たちの眼差しは変わっていないのかもしれません。
本展のテーマ「チューニングアニミズム」は、生命の有無という境界を越え、自分を取り巻く人・自然・ものとの関係性をあらためて編み直し、世界との距離感を微調整(チューニング)していく試みです。それは対象を一方的に解釈することではなく、万物が発する微細な予兆に、自らの心の感度を同期させていくプロセスです。
背景も制作手法も異なる7名の作家が、勉強会での対話と考察を重ね、それぞれの視点から「現代のアニミズム」を形にしました。一つの展覧会として結実した本展を通じて、日常に潜む新たな「いのちの気配」をご体感ください。

gallery fu 鈴木智惠


織絵 /Orie
私の内面には、異なる意思を持つ二つの存在と、それらのあいだで揺れ動きながら行為へと移る私が並列に存在しています。それぞれは優劣なく等しく在り、互いに影響し合いながら在り続けています。この状態を「インナーアニミズム」とし、それらの関係を排除や統合の対象とせず、そのまま受け止めていく過程の記録です。
神奈川県生まれ
2022年 東京藝術大学 大学院 デザイン科 視覚伝達研究室 修了
主な活動
2025年「gift from….to….」 gallery fu/神奈川
2025年「Nosotros 8」JICA横浜センター/神奈川
2025年「ホワイトアウトー霧の向こうにー」 gallery fu/神奈川
2024年「gift from….to….」 gallery fu/神奈川
2024年「WHITEOUT(ホワイトアウト)」 gallery fu/神奈川
2023年「gift from….to….」 gallery fu/神奈川
2023年「 機械じかけのコウノトリはゲノムの海を渡る」gallery fu/神奈川
2022年「 MOTHER 機械じかけのコウノトリ」gallery fu/神奈川
2022年「Art Exhibition “投票紙幣” by Orie Usam」i アートホテルBnA_WALL/東京
主な受賞
2021年「東京藝術大学 河北賞奨学金」授与
2020年「JAGDA国際学生ポスターアワード2020」入選

キウチアサミ/KIUCHI Asami
この関係性は、”生命”としてのコンテクストあるいは、 “モノ”としてのアイデンティティーのいずれかを、肯定しようとしています。
1978年 福井県生まれ
2001年 アメリカ Northampton Community College グラフィックデザイン科卒業
2018年 オランダ Royal Academy of Art, The Hague インタラクティブメディアデザイン科卒業
2023年 横浜市 黄金町アーティスト・イン・レジデンス参加中
主な活動
2025年「横浜国際舞台芸術ミーティング YPAMフリンジ2025」黄金町ミニレジデンス H-2/神奈川
2025年「黄金町バザール2025」自主企画 黄金町ミニレジデンス H-2/神奈川
2024年「Koganecho NOW」展 黄金町山本アパート/神奈川
2024年「黄金町バザール2024」自主企画 黄金町ハツネテラスE/神奈川
2024年「Yokohama Creative COOP」BankART KAIKO/神奈川
2022年「POP POP POP」Art Baboo146/神奈川

コムロ ヨウスケ/KOMURO Yosuke
存在は、どこに立ち上がるのか。実体としてのミラーと、光によって地面に現れる像。そのどちらにも触れられず、しかし確かに感じられる「何か」がある。人はなぜ、形なきものに意味や気配を見出すのか。その揺らぎの中に、アニミズムは立ち上がる。
1978年 東京生まれ
1999年 育英高専(現サレジオ高専)工業デザイン学科卒業
2004年 The Art Insutitute of Philadelphiaグラフィックデザイン学科卒業
2014年 グラフィックデザイナーの活動と並行する形で現代アート作品の制作を始める
主な活動
2026年 「tagboat Art Fair」東京ポートシティ竹芝/東京
2025年 個展「WINTER DROPS」テスタロッサカフェ/東京
2025年「SOFT CHAOS」アート解放区人形町/東京
2025年 個展「空になる練習」Chignitta/大阪
2025年「第2回伝えていきたい日本の美意識NeoJapan」阪急博多/福岡
2024年「tagboat Art Show」大丸東京/東京
2024年「tagboat Art Fair」東京ポートシティ竹芝/東京
2024年「WHITEOUT」展 galleryfu/神奈川
2024年 個展「Line&Dots」テスタロッサギャラリー/東京
2024年 個展「empty」テスタロッサギャラリー/東京

坂間 真実/SAKAMA Mami
「アニメーション(映像)」の語源である「アニマ」には、魂や生命、生命のないものに魂を吹き込むという意味があります。私は、カメラの原型であるカメラオブスキュラを光が通ることで、ただの風景が光の粒子へと変わり、確かなイメージへと変容する原始的なプロセスにアニミズムを感じました。バラバラの紙片や静止した画像が、幾重にも重なり合うことで新たな「アニマ(生命)」を宿し、動き出す。視ること、撮ること、切ること。カメラオブスキュラから見えた、ぼんやりとした風景を画像化し、紙を幾重にも貼り合わせたコラージュで表現しました。
静岡県生まれ、横浜在住
2007年 東京藝術大学大学院 美術研究科 先端芸術表現専攻 修了
主な個展
2026年 「洞窟の寓話」京都 蔦屋書店/京都
主なグループ展
2025年「gift from….to….」gallery fu/横浜
2025年「Different Kyomachibori Art Fair」BYTHREE/大阪
2025年「茨木映像芸術祭プレゼンテーション」茨木市福祉文化会館オークシアター/大阪
2025年「Space Sharing Program 2025・Center line art festival Tokyo」KOGANEI ART SPOT/東京
2025 年「ホワイトアウト-霧の向こうに-」gallery fu/横浜
主な受賞
2025年 茨木映像芸術祭2024-2025 入選
2025年 Art House Oyabe Contemporary Art Exhibition 入選
2017年 TRUE SPIRIT TOBACCO COMPANY主催 “FUTURE CULTIVATORS PROGRAM” 入選
2014年 3331 千代田芸術祭 2014 映像部門「10min.motion」 入選
2013年 第87回装苑賞 入選
2012年 第15回岡本太郎現代芸術賞 特別賞

藤田卓実/FUJITA Takumi
本作品は、私自身の体温を物質へと伝播させ、その物体があたかも体温を宿したかのように変容した様子をサーモグラフィーで撮影した写真である。通常、私たちは個の輪郭を境界として認識する。しかし熱は絶えず周囲と干渉し、触れた対象と溶け合う。目には見えない熱の流動を赤外線のグラデーションとして定着させることで、身体と物との間に流れる不可視の関係性を可視化し、私たちの輪郭を捉え直すことを試みる。
1996年 北海道生まれ
2020年 多摩美術大学絵画学科油画専攻卒業
主な活動
2025年「ホワイトアウト ー霧の向こうにー」gallery fu/神奈川
2024年「WHITEOUT」gallery fu/神奈川
2023年 特別展「mother 機械じかけのコウノトリはゲノムの海を渡る」gallery fu/神奈川
2019年 個展「正しすぎた振舞い」ギャラリー&BAR陳陳/東京

Misa Haneda + Atsushi Niida
わたしたちは日々、いきものを食べて生きている。発酵食品のなかでも、目には見えない無数の微生物が有機物を食べて生きている。たとえば味噌のなかには、麹菌だけでなく、仕込みの過程で混ざり込む環境中の微生物や作り手の常在菌など、さまざまな微生物がいて、大豆や米を食べて生きている。いわば味噌の発酵とは、微生物たちの生の祝宴であり、わたしたちはそれを丸ごと食べる。

Misa Haneda /アーティスト
星や いきものが辿ってきた道のり/仕組みなど自然科学を起点としつつ、それらを情緒的に捉えた作品を制作。何十億年と続くひとつの星の営みの中に、自身の存在をつなぎ直す探索をしている。東京拠点。
主な活動
2026年「Green Design Lab インスタレーション at 桂春院」/京都
2025年「やまなしメディア芸術アワード2024-25 入選作品展」/山梨
2024年「置き配ではない – Not Unattended Delivery」/茨城
主な受賞
2025年 やまなしメディア芸術アワード2024-25 入選
2024年 WIRED CREATIVE HACK AWARD 2024 入選

Atsushi Niida /科学者
長年、大学の研究所において医学分野のデータ解析研究に従事してきた。近年は自身の健康問題を契機に、食を通じた健康のあり方や代替医療、瞑想への関心を深めている。特に、味噌の魅力に惹かれ、微生物のDNA解析を軸としたMisomixプロジェクトを立ち上げ、科学的探究を続けている。本作では、味噌に宿る神性にアートを通じて触れることを試みる。
1978年 東京生まれ
2008年 博士号(博士 理学)取得
2022年 市民科学団体Bioclub にてMisomixプロジェクトを開始、Misa Hanedaと出会う。 


M collectiveとは
gallery fu鈴木の呼びかけで集まったさまざまなバックグラウンド、制作方法を持つアーティストにより結成。現在7名が活動中。勉強会を通し、議論を重ねながら作品制作、発表へとつなげていくスタイルをとる。想像力を働かせ穏やかに思考を巡らせることができるアートという表現方法を用い、未来の社会を考えていく。