7/8-7/19▷海老塚耕一|境界の標識 ─ 元あった場所について
2026年7月8日(水)~7月19日(日)
12:00~19:00 日曜は17:00まで 月・火休廊
境界線を疑う
gallery fuでは、7月8日(水)から7月19日(日)まで、「海老塚耕一|境界の標識―元あった場所について」を開催します。
海老塚耕一は長年にわたり、私たちが普段意識することなく通り過ぎてしまう境界や、その向こう側にある事柄について問い続けてきました。
海老塚は本展について、「現実、あるいは歴史から排除された領域について考えている。境界は確かに存在したが見えない。そのとき経験は排除した側の陰に隠されてしまう。豊かな領域を取り戻し(リクレイムし)、かたちにしたい」と語ります。
会場に並ぶ作品には一本の鉄の棒が添えられています。その棒は途中で継がれており、作品を追うごとに継ぎ目の位置が少しずつ変化していきます。わずかな違いですが、その変化は見る者に時間や距離、あるいは何かを区切るための基準を連想させます。
私たちは世界を理解するために、知らず知らずのうちにさまざまな線を引いています。しかし、その線は本来揺らぎ続けるものであり、決して固定されたものではありません。歴史のなかで消され、引き直され、意味を変えながら存在してきました。海老塚の作品に現れる線もまた、一度引かれて終わるものではなく、何度も描き直されながら揺れ動いています。
そして境界が生まれるとき、そこからこぼれ落ちてしまうものも存在します。歴史のなかで語られなかったこと、忘れられてしまった場所、見えなくなった経験。海老塚はそうした領域を単に指し示すのではなく、再び私たちの前へと呼び戻そうとしています。
目の前の作品と向き合い、自身の記憶や経験を重ねながら、当たり前だと思っていた境界を少し疑ってみる。そのとき、それぞれの内側に異なる風景や物語が立ち現れてくることでしょう。
gallery fu代表 鈴木智惠
展覧会によせて
海老塚耕一
現実、あるいは歴史から排除された領域について考えている。
境界は確かに存在したが見えない。そのとき経験は排除した側の陰に隠されてしまう。
豊かな領域を取り戻し(リクレイムし)、かたちにしたい。
海老塚耕一/EBIZUKA Koichi(現代美術作家, 彫刻家, 版画家)
1951年 横浜市生まれ
1976年 多摩美術大学美術学部建築科卒業
1979年 多摩美術大学大学院美術研究科修了
2022年 多摩美術大学 美術学部 芸術学科教授退職
主な活動
1986年「第6回インドトリエンナーレ」ゴールドメダル受賞(インド・ニューデリー)
1987年「第19回サンパウロ・ビエンナーレ」出展(ブラジル・サンパウロ)
1989年「第4回アジアン・アート・ビエンナーレ」最優秀作家賞受賞(バングラディシュ・ダッカ)
1991年「第15回平櫛田中賞」受賞(岡山・伊原市立田中美術館/東京・日本橋高島屋)
1997年「モンドマルサン彫刻展」出展(フランス・モンドマンサル)
1997年「インサイド」出展(ドイツ・カッセル)
1999年「第5回瀬戸田ビエンナーレ」作品設置(広島・瀬戸田町)
2001年「第19回現代日本彫刻展」神奈川県立近代美術館賞受賞(山口・宇部市野外彫刻美術館)
2002年「海老塚耕一展 -眼差しの現象学-身体・素材・記憶」(神奈川・神奈川県民ホール)
2003年「第14回タカシマヤ美術賞」受賞
2003年「大地の芸術祭 越後妻有アート・トリエンナーレ2003」作品設置(新潟・十日町市、津南町)
2007年「絵画・彫刻・今 そして明日へ 海老塚耕一展」(神奈川・かわさきIBM市民文化ギャラリー)
2007年「海老塚耕一展 混合の記憶-水と風の運動より」(富山・入善町下山芸術の森発電所美術館)
2009年「海老塚耕一展 呼吸する風の肖像」(群馬・渋川市美術館)
2012年「海老塚耕一展 風、扉は閉まっていると水に語る」(愛知・中京大学アートギャラリー)
2013年「海老塚耕一 水辺に佇み、風に触れる」(神奈川・カスヤの森現代美術館)
2014年「海老塚耕一 境界へ、水と風から」(神奈川・横須賀美術館)
2015年「第92回春陽展」岡鹿之助賞受賞(東京・国立新美術館)
2017年 海老塚耕一「励起する表面」作品を触れる・見る・感じる(東京・八王子夢美術館)
2017年「Daegu Art Fair 2017」(韓国・大邱広域市)
2019年「それぞれのふたり 池田良二と海老塚耕一」展(東京・世田谷美術館)
2023年【栃木県那珂川町小砂】第4回小砂環境芸術祭 アートディレクター
2025年「没後20年 東野芳明と戦後美術」(富山 富山県美術館)アドバイザー
2025-2026年「いつもとなりにいるから 日本と韓国、アートの80年」(神奈川・横浜美術館)
2026年 第5回小砂環境芸術祭KEAT2026 アートディレクター
ほか、国内外での個展開催、国際展、グループ展出展多数
gallery fuでの展示
2015年「参加型展覧会|海老塚耕一展『触れる』から」
2017年「海老塚耕一|にぎやかな身振り -ドローイング-」
2018年「海老塚耕一|錆(sabi)」
2019年「海老塚耕一|水の家」
2020年「海老塚耕一|漂う水床から-朝の深い休息-」
2021年「海老塚耕一|水のポリフォニー」
2022年「海老塚耕一|支えきれない瞬間―漂流する物たち」
2023年「海老塚耕一|潜勢的な個」
2024年「海老塚耕一|Correspond-1977年7月 大邱の余韻」
2025年「海老塚耕一|fundamental」

