8/18-8/30▷大森博之|彫刻の肉欲/眠れる美女

2020年8月18日(火)~8月30日(日)
12:00~19:00 日曜日17:00まで 月曜日休廊

到達不可能なものに宿るエロティシズム。


流出 2019 大理石

 

gallery fuでは8月18日(火)から8月30日(日)まで「大森博之|彫刻の肉欲/眠れる美女」を開催いたします。
本展覧会は、かつて三島由紀夫が「真のエロティシズムにとっては、内面よりも外面のはうが、はるかに到達不可能なものであり、謎に充ちたものである」と解説した川端康成の中編小説「眠れる美女」をモチーフとし、眼前に存在する彫刻から放たれるエロティシズムの本質を突き詰めます。
彫刻や絵画には、表面という皮膚のようなものがつきまといます。その境界を大森は、「出現を促す(視覚化させる)力」と言い、実在と空虚を同時に把持したいという欲望(=視触覚)が生みだすものであるとし、そしてまた「ここでの視触覚はつねにうごめき摩擦の快楽をもとめ距離を無化しようとするセザンヌの視覚である」とも言います。
大森博之の立体作品、平面作品をとおし、実在と空虚の間に横たわるエロティシズムの境界に触れ、わたしたちは、到達不可能な、謎に充ちた、「美」に迫ります。

横たわる眠れる美女の物質的感情。
誘惑と拒絶。
生娘を犯してはならない。
その規則、その境界上で、裸体の物質的感情に蠢く老人というばけもの。
絵画、彫刻は
ばけものの表層に宿る欲望/記憶の断片。
ばけものであることの官能。

大森博之/OMORI Hiroyuki
1954年 栃木県生まれ
1979年 筑波大学大学院修士課程芸術研究科彫塑専攻修了
個展
1980年、81年、82年 楡の木画廊/東京
1983年 駒井画廊/東京
1983年、84年、85年、86年、89年 ルナミ画廊/東京
1984年 ギャラリートランスフォーム/東京
1989年 コバヤシ画廊/東京
1990年、91年、93年、98年、2000年、03年、06年、09年、11年、14年、16年 なびす画廊/東京
1991年 ギャラリーMIU/神奈川
1994年、95年、96年 ギャラリー手/東京
1997年 SPACE・U/館林・千葉
1997年 JAZZオーネット/足利・栃木
2004年 鶴見画廊/神奈川
2017年 +Y Gallery/大阪
主なグループ展
1981年「空間感情展」神奈川県立県民ホールギャラリー/神奈川
1983年「人工呼吸展」パレルゴンII/東京
1984年「あ・はれ展」千葉県立美術館/千葉
1984年「大谷地下美術展」大谷地下採石場/栃木
1985年「日韓現代美術交流展」東京・韓国テグ
1986年「第5回平行芸術展」小原流会館/東京・大阪
1986年「万象の変様展」埼玉県立近代美術館/埼玉
1987年「ルナミ・セレクション」ルナミ画廊/東京
1988年「八つの記憶素展」なびす画廊/東京
1988年「接吻・ロダンに倣いて」ルナミ画廊/東京
1988年「Handy Works by Hands」ルナミ画廊/東京
1989年「発生機のデッサン」なびす画廊/東京
1989年「今日の作家展『かめ座のしるし』」横浜市民ギャラリー/神奈川
1990年「今日の造形」栃木県立美術館/栃木
1990年「第三回アクリラ・アート展」目黒美術館/東京
1992年「TEMPVSVICTVM 生きられた80年代」小原流会館/東京
1992年「開館10周年記念展『アダムとイヴ』」埼玉県立近代美術館/埼玉
1993年「カオスと秩序-芸術のアトラクター展」ギャラリー手/東京
1993年「<かたまり彫刻>とは何か」小原流会館/東京
1994年「金曜日のまれびとたち.その2」なびす画廊/東京
1994年「KARADAがARTになるとき[物質になった器官と身体]」板橋区立美術館/東京
1996年「匍匐は跳躍」なびす画廊/東京
1997年「京橋界隈」なびす画廊/東京
2004年「ディスタンス-栃木県出身作家の現在-」栃木県立美術館/栃木
2004年「第19回平行芸術展-彫刻は自分の半身を取り戻す-企画:峯村敏明」小原流会館/東京
2005年「2月のおくりもの」なびす画廊/東京
2005年「大森博之+野沢二郎」Takashi Saitoh Gallery/茨城
2006年「大森博之+橋本倫 2人展」鶴見画廊/神奈川
2007年「プライマリー・フィールド美術の現在 -七つの<場>との対話」神奈川県立近代美術館・葉山/神奈川
2008年「ラディカル・クロップス プレ展」exhibit Live&Moris/東京
2008年「DE MYSTICA~召命~」ギャラリーアート・ポイント/東京
2009年「DE MYSTICA第2回展 -”アート”全盛期における”美術”-」なびす画廊/東京
2009年「『ミュージアムズ・チョイス この一点』コレクション展Ⅲ」栃木県立美術館/栃木
2012年「光あれ!-光と闇の表現者たち」栃木県立美術館/栃木
2013年「版画天国」なびす画廊/東京
2014年「版画天国II」なびす画廊/東京
2016年「80’s展 享楽と根源」+Y Gallery/大阪
2017年「ART NAGOYA 2017」ウェスティンナゴヤ キャッスル/愛知
2018 年「Art in Park Hotel Tokyo 2018 」パークホテル東京/東京
2018年「13人の油絵」+Y Gallery/大阪
2018 年「Art in Park Hotel Tokyo 2019」パークホテル東京/東京
2019年「スサノヲの予感」Gallery TOM/東京
2019年「空間に線を引く-彫刻とデッサン展 橋本平八から現代の彫刻家まで」平塚市美術館/神奈川、足利市立美術館/栃木、碧南市藤井達吉現代美術館/愛知、町立久万美術館/愛媛