10/27-11/7▷坂間真実|ビデオ・レター

2021年10月27日(水)~11月7日(日)
12:00~19:00 日曜日17:00まで 月曜日休廊

-変わらないものと変わっていくもの- 過去から未来への伝言


「ビデオ・レター(from the Past to the Future)」
 318×410/キャンバス、紙(作品写真撮影:小松正樹)

gallery fuでは、10月27日(水)から11月7日(日)まで坂間真実「ビデオ・レター」を開催いたします。
東京藝術大学大学院先端芸術表現を修了後、映像作家として美術活動を始めた坂間真実は、2012年頃から白い紙に着目するようになる。BankART OPEN STUDIO2012では、スタジオの壁面いっぱいに白いコピー用紙を貼り重ね「ヒマラヤ」という作品を発表した。坂間は白い紙をひたすら重ね合わせ空間を構成していく行為の中で、自分の意識の中にある空間、時間と現実との微妙なズレを感じる。
ビデオのちらつきをイメージしたという写真を細かく切り刻み貼り合わせたコラージュ作品は、人間の瞬きの瞬間のようにも見える。何も像が結ばれていないはずのその瞬間に、人間は想像力を働かせたり、記憶を反芻しながら視界に映る連続性を維持しているのかもしれない。
本展覧会は、「ビデオ・レター」という過去からのメッセージという形で私たちに語りかけていく。過去からの時間は、重ね合わせた紙片のように積み上げられていく。しかし、過去を記録した確かに存在したはずのその景色は、今はない。坂間は「変わらないものと変わっていくもの」があると言う。「変わらないでいてほしいものと変わってほしいもの」と言い換えても良いかもしれない。
日常に紛れ込むほんのわずかなズレを感じながら、坂間が伝えたい未来へのメッセージを受け止めてほしい。


展覧会に寄せて/坂間真実

-平面、インスタレーション、映像で表現する「過去」から「未来」への「ビデオ・レター」-

2014年。
1万6000年前に噴火した火山(標高321m)の火口を歩く。その時の様子が、写真と映像で残されている。

2021年現在。山は変わらないが、火口の遊歩道は整備され、以前とは違う風景がそこにある。

さらに数十年先の未来は、整備された火口の遊歩道に加えて他の何かが変化しているかもしれない。

変わらないものと変わっていくもの。
変えることができないものと、変えることができるもの。
何かが存在し続け、何かが失われていく。

誰かへの伝言を手紙の代わりに映像と音声で作成する「ビデオレター」という伝達手段がある。
「ビデオレター」を通して、変化する前の記憶をどこかの未来へと伝える。

いつか撮ったどこかの風景。
記憶の重なりのように、写真から切り出した幾重の紙片を重ねる。

坂間真実/SAKAMA Mami
2005年 多摩美術大学美術学部情報デザイン学科卒業
2007年 東京藝術大学大学院美術研究科先端芸術表現専攻修了

主な活動
グループ展
2021年「mother 私たちはどこからどこから来たのですか? 私たちは誰ですか? 私達はどこに行くの?」gallery fu/横浜
2020年「SICF21」スパイラルホール/東京
2019年「ARTBOOK/ARTGOODS」/BankARTStation、横浜
2019年「SICF20」スパイラルホール/東京
2019年「mother平成の聖母子像」gallery fu、横浜)
2018年「gift+GreenBox」(gallery fu、横浜)
2018年「ArtBazaar」(gallery fu、横浜)
個展
2021年「ビデオ・レター」(gallery fu、横浜)
2014年「comet」(gallery fu、横浜)
アーティスト・イン・レジデンス
2015年「OPEN STUDIO 2015」BankART studio NYK/横浜
2013年「OPEN STUDIO 2013」BankART studio NYK/横浜
2012年「OPEN STUDIO 2012」BankART studio NYK/横浜
2011年「OPEN STUDIO 2011」BankART studio NYK/横浜
2010年「Summer Open 2010」BankART studio NYK/横浜
作品展示
2018年「BEAUTY?」みなとみらい線 馬車道駅ホーム
2017年「脱・皮」FUTURE CULTIVATORS PROGRAM 2017/東京、京都
舞台・パフォーマンス出演
2009年「de noise」(伊東篤弘〈OFF SEASON〉として参加)六本木Super Delux/東京
2008年「帝国、エアリアル」新国立劇場小劇場/東京
受賞歴
2013年 第87回「装苑賞」入選
2012年 第15回「岡本太郎現代芸術賞」特別賞
助成
2021年 公益財団法人小笠原敏晶財団「現代美術分野」助成


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