10/12-10/24▷杉山佳、林樹里 二人展

2021年10月12日(火)~10月24日(日)
12:00~19:00 日曜日17:00まで 月曜日休廊

注目の日本画家、ふたり

galleryfuでは、10月12日(火)から10月24日(日)まで「杉山佳、林樹里 二人展」を開催いたします。
杉山佳は、2020年に東京藝術大学大学院美術研究科博士後期課程を修了、博士(美術)学位取得。「不在」をテーマに「見立て」と「引用」という日本美術で用いられてきた技法をいかし表現している。「不在」とは、たとえば明らかにそこには人が存在したであろう気配を、実際には人は描かず椅子や机を描くことで感じさせること。その際、椅子や机はその人物の「見立て」となり、構図に関しては、過去の作品から「引用」することもあるという。画材の使い方もユニークで、とろっとした岩絵具を少ない回数で画面上に置き、粉砂糖を使ってデコレーションしたアイシングクッキーのような盛り上がりを見せる。またクレヨンを使った丸っこいフォルムが杉山独特の優しい世界観を引き立てている。
林樹里は、2018年東京藝術大学大学院美術研究科文化財保存学専攻保存修復研究領域(日本画)博士課程を修了、博士(文化財)学位取得。主に保存修復を手がけ、大学院在籍中には、琳派を中心に江戸時代以降用いられるようになったとされる「たらしこみ」という日本独特の技法を研究する。現在は、森を歩いては、たおやかに花や葉を広げて光を受ける自然の姿を短い音楽を聞くように胸に温めながら、連綿とつながる生命の現れを作品に描いている。
それぞれ違う環境のなかから突き詰めていく二人の日本画の世界をお楽しみください。


展覧会によせて/林樹里
森を歩いては、たおやかに花や葉を広げて光を受ける姿に、命が紡がれゆく尊さをかみしめる。
つかの間に訪れる、そうした五感を揺り動かすような体験は、その後まぼろしのように様々な色や音をつけて心のなかで反芻される。
短い音楽を聞くように、そうした記憶を胸に温めて夢見るうちに、末法のような世にも兆しが訪れる気がしている。
脈々とつながる生命の意志を、祈るように描く。

杉山佳/SUGIYAMA Kei
1988年 奈良県生まれ
2020年 東京藝術大学大学院美術研究科博士後期課程美術専攻日本画修了
博士(美術)学位取得 博士論文『不在』
2021年 東京藝術大学日本画教官室教育研究助手
主な活動・受賞歴
2015年「卒業制作」サロン・ド・プランタン賞、台東区長賞、平成芸術賞/東京都美術館
2017年「修了制作」東京藝大大学美術館買上げ賞、平山郁夫奨学金賞/東京藝術大学大学美術館
2018年 佐藤国際文化育英財団 第28期奨学生 作品買上げ/佐藤美術館
2019年「第45回 東京春季創画展 2019」春季展賞/西武池袋本店別館
2021年「第47回 東京春季創画展 2021」入選/西武池袋本店別館
websiteはこちら→ Sugiyama Kei
Instagramはこちら→ sushiyama_kei

林樹里/HAYASHI Julie
1989年 大阪府生まれ
2018年 東京藝術大学大学院美術研究科文化財保存学専攻保存修復研究領域(日本画)博士課程 修了
博士(文化財)学位取得
「たらしこみの研究―尾形光琳筆「四季草花図巻」(個人蔵)の模写を通して―」
主な活動・受賞歴
2015年 日本美術院「再興第100回 院展」初入選、現在院友
2016年「よみがえるオオカミ 飯舘村山津見神社・復元天井絵」復元プロジェクト/福島美術館
2017年「東京藝術大学大学院博士審査展」東京藝術大学大学美術館
2018年「有芽の会」日本更生保護女性連盟会長賞受賞/池袋西武・東京
2019年「アートオリンピア2019」佳作/東京都美術館
2019年「SICF2019」表参道スパイラル・東京
2020年「林樹里展」京橋アートスペース羅針盤・東京
2021年 グループ展「Harmony」Gallery HANOK・韓国ソウル
websiteはこちら→ 林樹里 Julie Hayashi


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