3/26-4/6▷宮川慶子「草の上で|On the grass」
2025年3月26日(水)〜4月6日(日)
12:00~19:00 日曜は17:00まで 月・火休廊
小さな声に耳をすます
gallery fuでは2025年3月26日(水)から4月6日(日)まで宮川慶子「草の上で|On the grass」を開催いたします。
宮川慶子は、1991年横浜に生まれ、現在イギリス・ロンドンに在住しています。2014年東京造形大学を卒業後、 青森県立美術館で奈良美智による若手作家選抜展「プロジェクト PHASE2014」で個展を、2020年には神奈川県の平塚市美術館にて「宮川慶子展 生命は自分自身だけでは完結できないようになっているらしい」を開催した注目の若手美術家です。
宮川は、詩人吉野弘の詩が大好きと言います。その中でも「生命は 自分自身だけでは完結できないようにつくられているらしい・・・・」(吉野弘「生命は」より)から始まる詩「生命は」を彼女はとても大切にしています。宮川は、弱いもの、儚いものに目を向けてきました。SNSなどが発達し、誰もが声をあげることができるようになった現代。しかし、本当に声を上げられる人はごく一部の人たちであり、自分の思いや感情を押し殺している多くの人たちがいることに着目します。また、風を感じ、木や草花、虫など、声を発することのできない命も尊重します。目には見えない世界にまで思いを巡らせ、さまざまな矛盾と向き合いながら、自分は完全ではないことに気づきます。
本展覧会のメインビジュアル作品《草の上で》は、ウサギらしきものが草の上に座っています。ウサギは宮川が幼少の頃飼っていた動物で、彼女にとっては、愛する友であり、またその中に自分を見ていたと思われます。
身を低くして、ミクロの世界を覗き込み、周囲の小さな声に耳を傾けようとする宮川の描く世界は、自分と自分を取り巻く全てのものとの関係を穏やかに映し出し、私はそこに心が波打つのを感じるのです。
gallery fu代表 鈴木智惠
「草の上で|On the grass」によせて/宮川慶子
公園の芝にひとり座り、散歩をしている人々や動物に目と耳をかたむけます。
人々はそれぞれの母語で会話を楽しんでいます。私もこの土地ではない人間なので、この土地ではない母語である日本語で物事を考えています。私は今日本ではない国に住んでいます。
自分が圧倒的少数であるとき、何気ないものがとても大きく感じます。何気なく踏んで歩いていたであろう芝の葉でさえも、とても大きく、深く見えます。
公園の芝は少し湿っていますが、立ち上がって歩けばすぐに乾いてしまうくらいの心地よい湿り気です。
いつも歩き慣れている道端の雑草や草木を思い出してみてください。あなたにはどんな大きさに見えますか?
宮川慶子/MIYAGAWA Keiko
ヒトおよび動物たちの生命のありかたについての思いや、小さくか弱い存在への共鳴や共感を多彩な手法で表現する。平面、立体、インスタレーション、詩作など様々なメディアを使って制作を行う。
神奈川県横浜市出身
2014 東京造形大学 造形学部 美術学科 絵画専攻 概念領域 卒業
2016 東京造形大学大学院 造形研究科 美術研究領域 修了
2021 東京造形大学 非常勤講師
受賞歴
2016「MONSTER Exhibition 2016」最優秀賞
2014 奈良美智氏が選ぶ若手作家選抜「プロジェクトPHASE2014」
個展
2024「IMAGE THE LAND WHILE UNDERWATER 」YIRI ARTS/台湾
2024 「みんなと共にⅡ」Bar Magpie/東京都
2023 「みんなと共に」888パールブックショップ&ギャラリー/東京都
2023 「みんなの日常」gallery fu/神奈川県
2022 「弱くても いいじゃないか」VINYL GALLERY/東京都
2022 「私たちはどこにでもいる|We are everywhere」faro Kagurazaka/東京都
2022 「みずの中のあなたと共に」faro Kagurazaka/東京都
2022「私たちはどこにでもいる | We are everywhere」 Gallery | FARO Kagurazaka/東京
2020.12.12 – 2021.04.04「生命は自分自身だけでは完結できないようになっているらしい」平塚市美術館/神奈川
2019「You and I - あなたとわたし -」HAGISO/東京
2019「他者の総和 - every one -」Gallery Yukihira/東京
2018「Grassy」spase_yuu
2018「Under the bed」spase_yuu
2017「filtlation」gallery fu/神奈川
2016「Close yet far」galerieH/東京
2015「Paresthesia」galerieH/東京
2014「As I pray for you and me」青森県立美術館 八角堂/青森
2014「As I walk inside you」galerieH/東京
2013「向こうの入り口」gallery 元町/神奈川
グループ展
2022「1010」銭湯絵・銭湯フィギュア・銭湯陶器展 VINYL GALLERY/東京
2021「gift from…..to…..」gallery fu/神奈川
2020「gift from…..to…..」gallery fu/神奈川
2020「SICF21」スパイラルホール/東京
2019「gift - Green Box -」gallery fu/神奈川
2019「- 異界への扉 - 冬の所蔵品展」平塚市美術館/神奈川
2018「迷宮の悪夢」gallery fu/神奈川
2017「浴槽とヒタキバを巡る小さな冒険」宮の湯(銭湯跡地)/東京
2016「冬の所蔵品展」平塚市美術館/神奈川
2016「Oni no Hashi/little by littele 前川ひな/宮川慶子 2 人展」MASATAKA CONTEMPORARY/東京
2016「MONSTER Exhibition 2016」渋谷ヒカリエ 8/COURT/東京
2016「東京五美術大学連合卒業修了作品展」国立新美術館/東京
2016「東京造形大学大学院 修了論文/制作展 ZOKEI 展」東京造形大学/東京
2015「ぺコちゃん展」平塚市美術館/神奈川
2014「祈りのグラデーション」東京造形大学/東京
2014「うつろいつつうらうら」アートラボはしもと/神奈川
2014「掘りごたつハリケーン」The Artcomplex Center of Tokyo/東京
2014「東京五美術大学連合卒業修了作品展」国立新美術館/東京
2014「東京造形大学卒業修了制作展 ZOKEI 展」東京造形大学/東京
2013「銀座彫刻博覧会エストネーション銀座店開店5周年記念展覧会」エストネーション銀座店/東京
2013「池田満寿夫 入江明日香 井田大介 宮川慶子 高橋亜弓 5 人展」番町画廊/東京
2013「I //// My ( )遠いところに結んでみる、近いところをほどいてみる 村田紗樹/小口菜緒実/秦義也/宮川慶子」Vague Art Complex Bar/東京
2012「交換日記的 <CORRESPONDENCE>」東京造形大学/東京
2012「Light room vol.10」大倉山記念館/神奈川
2012「静脈果実 Light room vol.8」ブラフ 18 番館/神奈川
イベント
2020「アーティストトーク」平塚市美術館/神奈川
2018『SakSak#6 「ドゥーワップに悲しみをみる」奥誠之個展 朗読担当』blanClass/神奈川
2014「奈良美智、宮川慶子、伊藤早樹子、永井天陽 座談会」青森県立美術館/青森
ワークショップ
2021「自分だけの不思議な生き物を描こう」平塚市美術館/神奈川
2019「植物標本ハーバリウムをつくろう」西日暮里niri/東京
2019「植物標本ハーバリウムをつくろう- Porque meets Artist vol.4 -」COUZT CAFE+SHOP/東京
2017「チョコレートでありがとう」神奈川県立地球市民かながわプラザ/神奈川
2014「樹脂粘土で変身しよう!」青森県立美術館/青森
2014「きらきら波もよう」アートラボはしもと/神奈川
アートフェア
2021「ART TAIPEI 2021」333Galleryより出品/台湾
2017「ART FAIR ASIA FUKUOKA 2017」福岡ホテルオークラ/福岡
2016「ART FAIR ASIA FUKUOKA 2016」福岡ホテルオークラ/福岡
作品所蔵
平塚市美術館