9/11-9/22▷石川貴大・井上聖太 二人展|爆奏
2024年9月11日(水)~9月22日(日)
12:00~19:00 日曜日17:00まで 月・火休廊
ノンシャランな態度
gallery fuでは、9月11日(水)から9月22日(日)まで「石川貴大・井上聖太 二人展|爆奏」を開催いたします。
「ノンシャラン」という言葉をご存知ですか? ノンシャランはフランス語で「無頓着でのんきな様子」や「なげやりな様子」を意味しますが、ファッションや芸術の文脈では「飾らず、気取らないが、さりげなくおしゃれ」というニュアンスでも使われます。
2019年に多摩美術大学絵画学科油画専攻を卒業した石川貴大と、現在東京藝術大学絵画科油画専攻・学部4年在籍の井上聖太には、直接的な接点はありませんでした。しかし、この二人の作品には共通してノンシャランな気分が感じられ、今回の二人展が実現しました。
石川は、友人や兄弟といった実在の人物や風景を油彩画で描きます。彼らと過ごす時間や空間を描いた作品群を、石川は「バラバラな過去から放たれた夜空に浮かぶ星のようだ」と感じています。そこに自分の意識が介入することはできませんが、石川の作品から鑑賞者が「こうありたい」と思う人間の在り方を、星座のように結んでほしいと考えています。
井上は、地球⇄アジア⇄日本⇄東京のように視点を次々と移しながら、生きることの切実さや日常の風景を映像作品や平面作品で切り取ります。本展覧会では、郷里である鹿児島に帰ったときの記憶にある広大な土地や空、大学のある東京の上野公園で見た雨の日に生い茂る木々、そして日常のさらりとした流れを、平面作品と映像を用いて作品化していきます。
ノンシャラン――その言葉が持つ「無頓着でのんき、なげやりな気分」の底には、内面を見つめるクールな視線があり、それを良い意味で手放す軽快さがあります。
二人は、本展覧会でそのようなノンシャランな態度を私たちに示してくれることでしょう。
gallery fu代表 鈴木智惠
「爆奏」という展覧会タイトルについて
井上が今春、教育実習で故郷に帰省した際、彼が教育実習で体験したことや故郷について感じた話をした。その中で、彼が訪れた高校で催されていた文化祭に触れ、「爆奏~飛び立て文化の花~」という言葉と、漫画風に描かれた学生のメインビジュアルがあった。そこから二人で話し合い、本展覧会のタイトルと展示のイメージが浮かび上がった。
「爆奏」というタイトルの明確な意味は説明しづらいが、その言葉が持つ「奔放さ」や、ある種の「イタさ」が幼い頃の記憶を呼び起こし、展覧会のタイトルに選んだ。
以下は石川の言葉である。
「爆奏」とは「爆走」の言葉遊びだろう。原っぱや芝生の上、あるいは砂利やアスファルトの上を駆けることと、駆ける足が立てる(奏でる)音。2つの「ばくそう」はあくまでお互いに変奏だ。それは行為そのものだけでなく、何かに夢中になることや、ある瞬間をさらには始まりから終わりまでを生きることをも意味するかもしれない。
石川貴大/ISHIKAWA Takahiro
1996 神奈川県出身
2019 多摩美術大学絵画学科油画専攻卒業
展示
2024 “PAPER WORKS 2024” THE blank GALLERY
2023 “Listen to the light, and don’t forget.” THE blank GALLERY
2023 “Poo-Tee-Weet?” Gallery NIW
2021 “公園へあと少し” Room_412
2021 “VIEWS and FACES Vol.2” THE blank GALLERY
2020 “It Is Buried Just Below The Blinding Snow” Room_412
2019 “EPIC PAINTERS Vol.6” THE blank GALLERY
2017 TURNER AWARD 2016 入賞・入選作品展
受賞
2017 TURNER AWARD 2016 未来賞
instagram→_takahiro_ishikawa_
井上聖太/INOUE Shota profile
2001 鹿児島県南さつま市出身
東京藝術大学絵画科油画専攻 学部4年在籍
展示
2024.1 東京芸術大学美術学部絵画科油画3年展「INTRO1」-代官山ヒルサイドテラス/東京
2023.12「gift from….to….」-gallery fu/神奈川
2023.10東京芸術大学油画専攻学内賞受賞者展「EARTH.」-東京藝術大学絵画棟/東京
2022東京藝大油画2年三人展「鹿児島侵略計画」-レトロフトMuseo/鹿児島
2022井上聖太個展「お花畑を見つけて」-gallery HINGE/鹿児島
受賞
2023 安宅賞受賞
instagram→syo11_i