3/11-3/26▷齋藤杏奈個展|ノスタルジア2「月と人獣」

3月11日(土)〜3月26日(日)
12:00〜20:00 日曜日は18:00まで 入場無料 月曜日休廊

人の心に宿る「故郷」、その原風景を追い求める。

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  東日本大震災から5年を経た昨年3月にgallery fuで開催した齋藤杏奈個展「ノスタルジア」の第2弾、「ノスタルジア2 月と人獣」を開催いたします。

  福島県福島市で生まれ育った齋藤杏奈は大学4年を迎える春、2011年3月11日、帰省先の福島市で東日本大震災を経験しました。東日本大震災発生から3か月ほどたった5月末に東京に戻りましたが、震災後福島で過ごした3か月は、何もすることがなく、何もできず、飛び交う情報やうわさ話に惑わされ、何を信じていいのかわからない日々が続きました。そのような状況を過ごしたなかで、あまりにも変わりはててしまった福島というもの、故郷というものが、自分にとって何だったのか悩みます。そうして見い出した言葉が「ノスタルジア」です。「ノスタルジア」とは、故郷に懐かしさを覚える一方その故郷に二度と戻ることができないという恐れを抱く病だと解釈しました。そしてそれはたとえ東日本大震災を経験しなくとも、自分のなかに沸き起こる感情であることに気づきます。
  昨年は、「ノスタルジア」を齋藤杏奈自身のものとして描きましたが、今回の「ノスタルジア2 月と人獣」では、生きとし生けるものという広い視野から「ノスタルジア」を捉えていることが特徴です。生きるということに誠実に向き合い、生きることこそが自分の表現であると確信した齋藤杏奈が、東日本大震災発生から6年になる今年3月11日(土)からスタートさせる齋藤杏奈個展「ノスタルジア2 月と人獣」にぜひ足をお運びください。(gallery fu代表 鈴木智惠)

個展によせて
  ノスタルジアとは故郷に懐かしさを覚える一方その故郷に二度と戻ることができないという恐れを抱く病である。すでに私にとっての故郷とは、もう訪れることのできない記憶の果ての土地なのかもしれないーー。

  昨年3月、震災から5年の節目に開催しました個展「ノスタルジア」の第2弾を開催いたします。
  昨年の個展は震災そのものを表現するというより、自身の思い出にフォーカスし故郷の在り方をテーマに表現した個展でした。今年も去年のように自分自身の原体験、故郷福島での思い出をモチーフにしつつも「月と人獣」というテーマの作品を発表いたします。
  今回のテーマにある「月」は私にとってあらゆる時代・文明を超越したものの象徴であり、満ち欠けを繰り返しつつも昇り続ける月の姿は、些細に世の中の流れが変っても根底にある普遍的な生命の本流は変わらないということを証明しているように感じます。
 「人獣」もまた人ならざる者の象徴です。角の生えた人間は些細な時代の変化に流されない、人間社会の枠組みを超えた「生きること」に誠実に向き合う生命が具現されたイメージとなります。
  前回の個展では「故郷」とは人の心に宿るものであり、人間の始まりの場所・原風景であるという結論が私的に出ましたが、今回はさらにその原風景の姿を追い求めることで、新たなノスタルジアを表現しようと試みようと思います。(齋藤杏奈)

齋藤杏奈/saito anna

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1989年 福島県生まれ
2012年 女子美術大学絵画科洋画専攻卒業
2014年 女子美術大学大学院美術研究科修士課程美術専攻洋画 修了
主な展覧会
2010年「トーキョーワンダーウォール公募2010」入選(東京都現代美術館)
2010年「世界堂 第6回世界絵画大賞展」協賛者賞(伊研賞)受賞
2011年「TWS-Emerging 2011:168・169・170・171」出展(トーキョーワンダーサイト本郷)
2013年「トーキョーワンダーシード2013」入選
2013年「上海 Shanghai Joshibi Art Gallery Award ドローイング コンペティション」入選
2014年「女子美スタイル2013 超少女(ULTRA GIRL)」選抜(東京都美術館)
2014年「第1回CAF賞」入選
2014年「アートアワードトーキョー丸の内2014」神谷幸江賞受賞
2014年「トーキョーワンダーウォール公募2014」入選
2016年「被災地からの発信 ふくしま3.11以降を描く」福島県立美術館

個展
2010年「adolescence end」ヲウチギャラリー(ニューヨーク)
2010年「untitled」ギャラリー銀座フォレスト(東京)
2014年 齋藤アンナ展「禁猟 ~両性具有者の森~」ヴァニラ画廊(東京)
2014年「巨大な悪魔の背を下り、再び現世に誕生す。」gallery fu(神奈川・横浜)
2016年「ノスタルジア」gallery fu(神奈川・横浜)

他 出展、入賞多数
主に日本国内で制作・展示活動中

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