7/16-7/27▷海老塚耕一|fundamental
2025年7月16日(水)ー7月27日(日)
12:00~19:00 日曜は17:00まで 月・火休廊
gallery fuでは、7月16日(水)から7月27日(日)まで「海老塚耕一|fundamental 」を開催します。
〈「基礎的な」「基本的な」「根本的な」〉という意味を持つ“fundamental”は、自らの作品の「基本的な構造を点検する」という海老塚耕一の意図がある。
海老塚とgallery fuとの出会いは、2015年「参加型展覧会|海老塚耕一展『触れる』から」へと遡る。当時親子向けアートワークショップを行なっていたgallery fuは、多摩美術大学に“あそびじゅつ”という「つくる過程を通し、こどもたちが自らの力で、みて、ふれ、感じ、考えること」を大切にしている取り組みがあることを知り、担当教授であった海老塚を尋ねたことから始まった。以来gallery fuはそのことを“fundamental”な関係として大切にしてきた。
視点を変え、造形的な繋がりで考えると、彼の作品とgallery fuとの“fundamental”な関係は“場”の提供ということになるだろう。直方体に近いgallery fuのコンクリートの打ちっぱなしの空間に彼の作品が入ることにより、作品という主体と空間が逆転することを幾度となく経験してきた。境界、端、限界を突き詰める彼の作品と対峙する時、私たちは主体であるはずのものから作品を纏っている空間へと意識を転換させられる。皮膚の裏側を見せられたような感覚に近いかもしれない。それは彼が引いた境が、物理的なものから精神的な境へと変わっていく瞬間でもあるのかもしれない。そこには見えていないものに意識を向けることで、今まで気づかなかった世界を感じることができる。
現在、世界では、境界を巡っての争いが絶えない。しかし、それは私たちの心の重なりが作り出した境なのではないだろうか? そんなことを考えさせられる。
gallery fu 代表 鈴木智惠
本展覧会関連トークイベント開催
海老塚耕一(美術家)×前野智彦(美術家)×野田尚稔(世田谷美術館学芸員)
のトークイベントを開催します。(予約不要・無料)
タイトル:「美術」(鼎談)
日時:7月19日(土)16:00-17:00
会場:gallery fu
海老塚耕一/EBIZUKA Koichi(現代美術作家, 彫刻家, 版画家)
1951年 横浜市生まれ
1976年 多摩美術大学美術学部建築科卒業
1979年 多摩美術大学大学院美術研究科修了
2022年 多摩美術大学 美術学部 芸術学科教授退職
主な活動
1986年「第6回インドトリエンナーレ」ゴールドメダル受賞(インド・ニューデリー)
1987年「第19回サンパウロ・ビエンナーレ」出展(ブラジル・サンパウロ)
1989年「第4回アジアン・アート・ビエンナーレ」最優秀作家賞受賞(バングラディシュ・ダッカ)
1991年「第15回平櫛田中賞」受賞(岡山・伊原市立田中美術館/東京・日本橋高島屋)
1997年「モンドマルサン彫刻展」出展(フランス・モンドマンサル)
1997年「インサイド」出展(ドイツ・カッセル)
1999年「第5回瀬戸田ビエンナーレ」作品設置(広島・瀬戸田町)
2001年「第19回現代日本彫刻展」神奈川県立近代美術館賞受賞(山口・宇部市野外彫刻美術館)
2002年「海老塚耕一展 -眼差しの現象学-身体・素材・記憶」(神奈川・神奈川県民ホール)
2003年「第14回タカシマヤ美術賞」受賞
2003年「大地の芸術祭 越後妻有アート・トリエンナーレ2003」作品設置(新潟・十日町市、津南町)
2007年「絵画・彫刻・今 そして明日へ 海老塚耕一展」(神奈川・かわさきIBM市民文化ギャラリー)
2007年「海老塚耕一展 混合の記憶-水と風の運動より」(富山・入善町下山芸術の森発電所美術館)
2009年「海老塚耕一展 呼吸する風の肖像」(群馬・渋川市美術館)
2012年「海老塚耕一展 風、扉は閉まっていると水に語る」(愛知・中京大学アートギャラリー)
2013年「海老塚耕一 水辺に佇み、風に触れる」(神奈川・カスヤの森現代美術館)
2014年「海老塚耕一 境界へ、水と風から」(神奈川・横須賀美術館)
2015年「第92回春陽展」岡鹿之助賞受賞(東京・国立新美術館)
2017年 海老塚耕一「励起する表面」作品を触れる・見る・感じる(東京・八王子夢美術館)
2017年「Daegu Art Fair 2017」(韓国・大邱広域市)
2019年「それぞれのふたり 池田良二と海老塚耕一」展(東京・世田谷美術館)
2023年 【栃木県那珂川町小砂】第4回小砂環境芸術祭 アートディレクター
2025年「没後20年 東野芳明と戦後美術」(富山 富山県美術館)アドバイザー
ほか、国内外での個展開催、国際展、グループ展出展多数
gallery fuでの展示
2015年「参加型展覧会|海老塚耕一展『触れる』から」
2017年「海老塚耕一|にぎやかな身振り -ドローイング-」
2018年「海老塚耕一|錆(sabi)」
2019年「海老塚耕一|水の家」
2020年「海老塚耕一|漂う水床から-朝の深い休息-」
2021年「海老塚耕一|水のポリフォニー」
2022年「海老塚耕一|支えきれない瞬間―漂流する物たち」
2023年「海老塚耕一|潜勢的な個」
2024年「海老塚耕一|Correspond-1977年7月 大邱の余韻」